「い、嫌だ……」 男の子が顔を強張らせる。 栗色の髪、色白で皮膚の色素が薄く、全ての顔のパーツが細くて小さい。 頬骨が見えそうなくらい頬が痩せこけている。 「ねぇ、シータ君。そんな駄々を捏ねても私はやめないわよ」 女は左手に持っている凶器のようなモノをシータという男の子の目の前にかざす。 観客席に座っている男の子は中腰になって凝視。 女の左手には、花びらみたいに四本の注射器がそれぞれの指に挟んであった。