観客は男の子しかいないのに、すぐにでも舞台が始まりそうな雰囲気。 「誰か居ませんかぁ~?」 劇場内に大声で尋ねても、静寂という答えしか返ってこない。 男の子は立ち上がり、劇場からとりあえず出ようとした。 ところが、引き止めるかのようにビィ~というブザー音が鳴り響き、真っ赤な幕がスルスルッとせり上がる。 男の子は幕が上がるスピードに合わせて椅子に腰を下ろす。 背景は映画館にあるような白いスクリーン、板張りの床の舞台中央に簡素なパイプベッドが置いてあるだけのセットが現れた。