吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)



表から見たこの屋敷の灰白色の列柱やドーム屋根は、ルネサンス建築と酷使。


そして玄関ホールから見えた大階段は、曲線を巧みに利用した十七世紀から十八世紀のバロック様式に当てはまる。


外観をルネサンス様式、内部をバロック様式というふうに分けている。


ちゃんと知識として頭に入っているのかなと、男の子は脳内に赤い本を浮かべ、中身を確認すると『新版日本政治哲学概論』と『研究・建築学の歴史』の本が一ページ一ページコピーしたかのように文章が埋め尽くされている。


自分の暗記力に驚く暇なく、ノックもせずに女が入ってきた。