どうやら大理石を模した板でできているらしい。
パンツ一枚で玄関に立たされ、クシャミを連続して出していると女が戻ってきた。
女が履いているハイヒールのコツコツという足音以外は何も聞こえず、他に誰かがいる気配は感じなかった。
「早くこれに着替えて」
女がきれいに折りたたまれた服と子供用の革靴を男の子に差し出す。
濃紺のジャケット、赤の蝶ネクネタイ、半ズボン……さっき着ていたやつと同じで、男の子はこれから永遠に金持ちのおぼっちゃまみたいな服装のまま生活しなければいけないのかと情けない気持ちになる。
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