白いパンツに手をかけると、「それは脱がなくていい」と素っ気なく言われた。 「あら、また背が伸びたんじゃない?」 ご丁寧に助手席のドアを開けてくれた女が言った。 「わかんない」 女の言い方からすると、自分のことを昔から知っているらしく、男の子はそれほど警戒することなく車に乗った。 サイドミラーに映った顔は、やや面長のことを除けば、目の大きさ、眉や鼻や唇の形に特徴がなく、自己主張できない男の子の心をそのまま反映していた。 バン!とドアを閉め、女は運手席へ。