眩い光が横に逸れ、男の子はまじまじと女を見た。 赤い縁のメガネをかけ、懐中電灯でトントン肩を叩いている。 「おばさん……誰?」 「おばさん!?お姉さんでしょ!」 女はブン!と懐中電灯を横に振り、男の子は首を亀のように引っ込め、頭上ぎりぎりを通過。 「運動神経だけはいいみたいね」 女は苦虫を噛み潰したような顔をしてから、負け惜しみなのか白い歯を見せた。