男の子は首を左右に振ってどっちに逃げるのが正解なのか迷う。 冷静さを失ったときは……天に向かって祈るしかない。 男の子は片膝を汚水に付け、両手を組み、地下の下水道からの祈りが天まで届くだろうかと疑問を感じながら視線を上げた。 すると、天井付近から光りが差し込み、キラキラ埃を浮かび上がらせている場所を見つけた。 鉄格子がはめ込まれた排水溝らしきところから光がもれていた。 ジャンプすると指先が鉄格子に触れた。 いける……かな? 助走をつけて、もう一度ジャンプ。