若干の幸福に男の子は安堵するが、その時間はとても短かった。 一〇〇メートルくらい走ると、闇の先に小さな光の輪が揺れているのが見え、また警戒心が働く。 こっちにも!? 光は完全にこちらに向かってきている。 「グゥグゥォォ~」 さっきよりも大きく猛獣が咆哮するような叫びが聞こえた。 挟まれた格好になり、男の子は立ち止まる。 あぁ~どうしよう……。