ワイングラスになみなみと赤い液体が注がれていき、ジェーンが傍にいて威圧感で飲まされたときとは違う感覚が湧いてくる。 イオタは無意識のうちに生唾を飲み込み、仮想の血の味に酔いそうになった。 「人間を殺させてぼくの中身を真っ黒にしたいの?よっぽど抑圧された支配から解放されたいのかな」 イオタは下を向き、乱杭歯の隙間からククッと卑屈な笑いをもらす。 脳内の黒い化け物は、抑圧されてるのはおまえのほうだろ!と表現したいのか腕組みをして仰け反り、体を小刻みに揺らす。 完全に馬鹿にして笑っている。