衛生レベルの低い古い下水道に突っ立っているのは理解できた。
こんなところで自分がなにをしていたのかという疑問と、これから何処へ行けばいいんだろうという不安が駆け巡る。
当てもなく二、三歩進むと不安が恐怖へと変わった。
背中の方から「グゥォォ~」と、とても醜い叫び声が聞こえてきたからだ。
警戒心が瞬時に脳を刺激して男の子は逃げた。
「ハァ、ハァ、ハァ……」
汚い水に足を浸かったままなのは嫌だったが、逃げないと食べられるという直感が衛生面を排除して無我夢中で走らせる。
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