吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)



「懲りないな」


ガンマ少佐は嫌気が差したかのような顔をする。


「攻めのパターンが少ないんだ」


演技ではにかんだあと、イオタはトリガーを引く。


二発の弾丸を陽射しでも避けみたいな仕種で腕に被弾させ、ガンマ少佐は口を最大限に広げ、体を仰け反らせ「グゥォォ~」と乱杭歯をむき出して吠えた。


猛獣さながらの本能をさらけ出して恐怖心を植え付けようとする。


イオタは怖気付くことなく冷静にパチンと指を鳴らした。


留め金のネジから外すなどの余興をはぶき、シャンデリアがぶら下がっている周辺の天井ごと突き落とす。