イオタの脳内の黒い化け物は赤い本を捲って『八方ふさがり』という言葉を引いて見せた。
唇を噛み締め、接近戦を避けるために飛び道具を出そうとするが、浮かんだのは黒衣部隊が持っている最新のサブマシンガンで、中身の構造が複雑でイメージできず、現れてくれない。
赤い本を使い“武器”で検索すると、残念ながら刃物の類のアナログな武器しか載っていない。
苦慮しているところへ黒い化け物が勝手に“暗殺”という項目にページを切り替えた。
開かれたページには一八六五年、第十六代アメリカ大統領リンカーン暗殺事件のことが書いてあり、そのときに使われた前装式の単発小型銃フィラディルフィア・デリンジャーが図解で細かく説明されていた。
昔の銃だと構造は簡単。



