「それほど遠くない未来で会ったばかりだよ」 イオタは感情を押し殺し、優しい口調で答えてやった。 「未来?面白いことを言う子供だな」 「過去に辿り着けたということは、ぼくは未来からきたということにならないかな」 謎かけのようなことを言ってから、イオタは鮫皮が巻かれている日本刀の柄を雑巾でも絞るみたいにして両手で握った。 「私以外の吸血鬼は意味不明なことばかり言う奴が多いな」 ガンマ少佐が渋面をつくりながら言う。 「無駄なことはひとつも言っていないつもりだけど」