卑劣な笑いがもれる中、外から隊員が走ってくる。 「少佐、逃走した女を追跡中の隊員から数キロ先の谷に追い込んだとの連絡が入りました」 「わかった。子供相手だと話しにならんな」ガンマ少佐は立ち上がり「この屋敷を燃やすなり爆破するなり好きにしろ」と投げやりな指示を残して去っていった。 イオタにはまだ余力があった。 とはいっても動くのは顔の筋肉だけで、会話できるほどの体力しかない。 「シ、シータ……聞こえる?」 イオタはシータの後頭部を見詰めながら訊く。