「吸血鬼とはいえ子供と女相手だから三十人程度の一個小隊かしら」
「とりあえず三十人を始末すれば、ひとまず逃げる時間はつくれるんだね」
イオタの目に怪しい光りが宿る。
「そうね。そのあとのことは保障できないけど」
女の言い方は困難な未来を暗示していた。
シータの顔は暗くなったが、外の世界を見た経験があるイオタは逃げ切れるだけの広い大地、そしていまの生活から脱却できるかもしれない明るい未来に期待がふくらむ。
「黒衣部隊を一人残らず、ぼくの記憶の中に閉じ込めればいいだけの話しじゃない」
イオタは自然な笑顔で、作戦の概要を話す。



