「どうして禁忌を犯したことが組織にわかったの?」 「私が端末で教えたからよ」 女が予想外の答えを言う。 「なんでそんなことしたの?」 イオタには自分の首を絞めるようなことをした女の意図がわからない。 「それだけ禁忌は重いものなのよ。判断ミスになってしまったけれど、正直私もあなたが怖くなって組織に助けを求めたの。いつ悪魔的要素一〇〇パーセントで心を真っ黒にした吸血鬼になるかわからないものね」 女の顔には後悔の念がくっきり浮かんでいる。 きっと注射器を齧った場面を思い出しているのだろう。