吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)



「シータはぼくの力がうらやましいんだろ」


脳内の黒い化け物が薄く笑った気がすると、自然と言葉が出た。


「違うよ」


シータは即座に否定。


「ぼくは、まだ信用できない」


イオタは女とシータから一歩離れる。


「どうすれば信用してもらえるのかしら?」


女が大鎌を捨て、腕組みしながら訊く。


「嘘を言わなければ信用する」