「きっと痛みをイメージしてしまうからだと思うわ」
イオタの質問に女が答えた。
「鎌が腕に刺さったら、誰でも痛みをイメージしてしまうよ」
シータの顔には、手上げだよ、という文字が浮かぶ。
「そうね。私もこの子に攻撃されて痛かったわ」女は服についた埃を払いながらシャンデリアの下敷きにされたことを愚痴ったあと「劇場全体を揺らすなんてすごい集中力ね」と、褒め言葉をかけた。
イオタはどう反応すればいいのかわからない。
「イオタ君、黒い化け物に支配されちゃいけない。いずれ黒い化け物は君を押し潰す」
シータが静かに忠告する。



