「どうしてそんなことを?」 シータがそれほど危険を冒してまで知りたかった記憶とはなんだったのだろうと、イオタは興味がわいて訊く。 「イオタ君の具体的なケガを知りたかったのさ」 シータがニコリと微笑み、イオタには嘘偽りのない透き通った笑顔に見えた。 「痛みを感じるの?」 イオタは心底心配したわけではないが、庇ってケガしたことは間違いなく、優しい言葉くらいはかけてもいいかなと判断した。 「正直少し感じる。この世界のことはまだわからないことばかりさ」