「どんな舞台を見たのかしら?」
女は穏やかな表情で尋ねる。
「血が微量だったので、短い時間でしたが、ジェーンさんが端末で連絡を取り合っていた男に解雇を告げられている場面でした」
「それは嘘ね。この子に後をつけられたときは、まだ解雇されてないのよ。あなた、私が寝てる間に血を吸ったわね」
もしシータが女の血を吸ったのなら怒りは測り知れないはずなのに、女から攻撃的な気配を感じない。
「吸ったというより、イオタ君につけられた引っ掻き傷を舐めた程度ですけど」
あっさりシータが認める。寝ている女の傍らに立ち、舌で舐めるという淫らな光景をイオタは想像してしまった。



