吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)



グリップエンドのところにスカルが彫られ、ガラス細工なのか緩やかな曲線を描く刃と共に怪しく光っていた。


「首を斬るにはちょうど……」


イオタが滑稽なデザインの鎌を揶揄しようとした矢先、女は椅子を土台にして高々と飛んで一気に距離を詰める。


「この世界で死んだらどうなるか見物だわ」


女は大鎌を振り回し、イオタに反撃する隙を与えない。


なりふり構わない狂気染みた動きではなく、何かの規則性に則ってコンパクトに振ろうとしている。


ただ残念なことに大き過ぎて重さもあるようで、大鎌を振るごとに「はっ、はっ」と息を弾ませ、イオタにはスイングの軌道が読めた。