吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)



「どうかしら」


「ぼくらは実験材料なの?」


イオタは服についた埃を払いながら訊く。


その間に脳内に存在する二本角の黒い化け物に『なんとかしろよ!ぼくが死んだら君も死ぬんだぞ』と、発破をかけた。


黒い化け物が眼を光らせ、軽く会釈したように感じた。


「どうかしら」


「突発的な感情の起伏が思わぬイレギュラーを発生させる可能性はないかな?」


イオタの口から勝手に言葉が出た。