「自分で感情をコントロールできなくなってきているってこと?ひょっとして無慈悲で不埒な悪魔的要素の心が目覚めたの?」 女は目を輝かせて訊く。 「名も無き死体さんから開放されるなら、悪魔でも何でもなってやるさ」 「名も無き死体?」 女が眉をひそめて訊き返す。 「ジェーン・ドゥをぼくなりにわかりやすく日本語風に訳しただけ」 「私を馬鹿にしてるの?」 女は意味ありげに目を細くする。