「シータよりも交渉上手なところを見せてあげるよ」 自信満々な顔でイオタが宣言する。 「無理だよ」 「そうかな」 と言ってイオタはパチンと指を鳴らす。 「あっ!」 シータが驚きの声を発したとき、すでに輪になったロープが頭から通され、観客席の椅子と一緒にぐるぐる巻きにされていた。 「君の真似をしてみたよ。本当に何でもありの世界って便利だね」 イオタが踊るようなリズムで喋る。