吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)



「だから、もう少し我慢して!ぼくが助けるから」


「シータには無理だよ。あの女の仲間になってしまったからね」


イオタは冷たい視線をシータに突き刺す。


「ぼくはあの女の仲間なんかじゃない!」


シータは両手に握り拳を作り、悔しがるように言葉を吐き出す。


「信用できないね。この嘘つき!」


イオタの声が劇場内に響く。


「嘘なんかついてない!」


シータは反発した。