「それって黒い化け物に頭の中を操られているんじゃ……ないよね?」
シータの背中にしっとり汗が滲み、半信半疑で尋ねた。
「自信はないけど、全ては操られてないと思うよ。最終的な判断は自分でするし、緊急に調べたいことがあれば自分の意思で赤い本を捲っていくつもり。脳内の黒い化け物はうまく利用すればいいのさ。シータもできるかもしれないね。やってごらん」
「イオタ君の心にはもしかして悪魔的要素が生まれてきてるんじゃ……」
脅えた表情でシータが椅子から立ち上がる。
「悪魔的要素……確かあの女もそんなことを端末の相手に向かって言ってたな」



