「ぼくのほうがあの本がある部屋で培った知識が多いから、君を助けられる可能性が高くなると思ったんだ」 「すごい自信だね。でもあそこにある本がそれほど役に立つとは思えないね」 イオタの表情は冷め切っていた。 「ごめん、イオタ君に相談するべきだった」 「どっちが吸血鬼として相応しいか勝負してみない?」 シータが謝ったことなど全く意に介さず、イオタは尋ねる。 「ぼくはイオタ君と闘う気なんてないよ」