「シータに謝らないといけないね」イオタは笑いながら低姿勢な言葉で謝った。「ぼくの食事は君の血液だったんだね。ありがとう」 「そ、そうだよ」 改めて言われたお礼は明らかに口先だけのような気がして、シータは舞台へ招かれた目的が歓迎の“か”の字もないことを悟った。 「ぼくのためにあんなに苦しい思いをしていたんだね」 言葉とは裏腹にイオタの表情は険しくなる。 「立場が逆になってしまって……ごめん」 シータは俯きながら謝る。