「そうだね」 と言いながらイオタは自分の考えが間違っていないことを確信した。 顔を殺風景なコンクリートの天井に向け、眼球を注意深く慎重に動かし、女の動きを観察する。 女がこちらを向くと、サッと視線を天井に戻す。 三本目の血を抜いてる最中に、女が耳にかかっている髪をかきあげた。 イオタはその一瞬を見逃さなかった。 腕に刺さった注射器にガブッと噛み付く。 そのまま躊躇せず、一気に注射器を噛み砕いた。