「えぇ~と一六八・五センチということは十五歳くらいね」
女はイオタの身長を測り終えると、メジャーを注射器に持ち替え、ブスッと無造作に注射針を腕に突き刺す。
「前回の献血のときから一年経ったの?」
イオタは視線を泳がせたまま尋ねた。
「何言ってるの?意識が朦朧としてるのかしら?」
前者はイオタに、後者は自分自身に女が問いかける。
「ぼくの血はどこへいくの?」
「いまさらって感じの質問ね」
女はイオタの質問を鼻で笑ってあしらう。
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