「お元気でしたか?」 シータは目尻を下げて尋ねてきたが、なんとなく他人行儀な訊き方のような気がした。 しかも舞台で会ったときとは雰囲気が違う。 白と青のストライプ模様のパジャマを着ていないこともあるが、やつれて頬がこけていたのに、顔は卵型にふっくらしてθという記号に完璧に近くなっている。 記憶と現実とでは、誤差が生じるのはしかたのないことなのかもしれない。 「体はなんともないけど、シータは元気そうだね」 ベッドで横になっている姿ではなく、立っているシータを見てイオタはうれしくなった。