「集中力を発揮してイメージできれば、ここはなんでもありの世界になるのかもしれない。いまのぼくは照明のガラスを割るのが精一杯だけどね」 シータは疲れた顔をさせて体力が限界なことをアピールする。 「ぼくもできるかな?」 自分もできるはずという根拠のない自信が芽生え、イオタが訊く。 「可能だと思う」 シータが希望を与える。 「どうすればいいの?」 「さぁ……それは……イオタ君の努力次第かな」 シータは困ったように頭を掻くと、赤い幕を下げるモーターが動き始めた。