「ここは夢の中じゃないの?」 イオタは身を乗り出すようにして訊く。 「違うよ」 シータはあっさり否定した。 「だったらここは何処?」 シータが実在するのであればうれしいことだが、夢の中だからある程度望みどおりの答えが返ってきていたんだとイオタは思っていた。 「ぼくの記憶の中といったところかな」 シータから次元の違う答えが返ってくる。