「お調子者ね」 女がひっそりと微笑して言った。 「普段はお調子者とぼくは呼ばれてるの?」 お調子者の意味がわからず、イオタは素直に訊いてみる。 「えっ、あぁ~そうよ。よくわかったわね」 と言ったあとで女は後ろを向き、腹を抱えた。 なぜ笑ったのか、という疑問は図書館のような部屋ですぐに辞書を引き、『お調子者』を調べて判明した。 お調子者……いい加減な人。 軽はずみな行動をする人。 浮薄な人。