モヤモヤしたものが視界いっぱいに広がっている。 その先に確かに光があるのに。 手を伸ばしたら届きそうなのに。 どう頑張ってもそれに触れる事は出来なくて。 それどころか “それには絶対に触れたら駄目” 何処からかそういう声が聞こえる。 “それに触れたら絶対に後悔する” さらに違う声が聞こえて あたしは一度手を引っ込める。 “怖い” “このままの方がいい” そう思うのに もう一人のあたしが言う。 「そんなの、手を伸ばしてみないと分からない。やらないで後悔だけは絶対にしたくない!」