相思相愛~彼方という存在~



『玖遠・・・』

私は声が震えないように

少しずつ、言葉を繋げていく

『玖遠・・・あのね、私っ「あれ?玖遠じゃないの」

私の次の言葉を遮るように、綺麗な声が聞こえた。

そして、声のした後ろを見てみると・・・

「シホ・・・」

という、その人の名前らしきものを呼んだ、玖遠の声・・・

「久しぶりね」

そう言いながら、私達と距離を縮めてくるシホさん・・・

「もう、俺に関わるな」

あからさまに機嫌を悪くした、玖遠の低い声

「クスっ・・・いいじゃない、久しぶりの・・・2年ぶりの再会なんだから」

「黙れ」

そんな2人のやりとりを少し、玖遠の背中に隠れるようにして聞く。

すると、シホさんはそんな私に気づいたようで・・・