面白い程よく飛んだ男を目で追い、イブはとっさに破かれた衣服を整える。

 「本当にお前は…。真夜中の野外で襲われるのが好きだな。」

 男は整った顔で妖美に笑った。

 「人を変態みたいに言わないで下さい!
それに好きで襲われてたわけじゃ…ングッ!?」

 突如口がふさがれ、イブは男の胸を叩いた。

 「まったく。そんなに服を乱して。
苛められたいなら早く言え。」

 「違ッ!んーーー!」

 ベンチの上で倒され、イブは覆いかぶさった男の下で暴れた。

 「大声出しますよ?」

 「出せば?俺の姿はお前以外には見えてないし(笑)」

 「…こんの…悪魔!」

 「悪魔じゃない。吸血鬼だ。わかったら血をよこせ。」

 散々好き勝手された挙句、イブは血を吸わてしまっ
た。