信号が青に変わり、車は走り出す。 見慣れた世界。 けれど、新しい色を持つ世界。 僕は進む。 日々は廻る。 窓から見上げた空は嘘みたいに青く、やけに綺麗で。 憂鬱さの欠片も見当たらぬ澄み渡る視界には、たゆとう白い雲。 そのどこか呑気で気楽な風情が誰かさんを思いださせて……。 ずっとずっと遥か、天上で飛び回るその姿が―― 見えずとも、鮮明に脳裏に描かれていく。