『どうしたの?』 風が吹き通る。 栗色の、やわらかな髪が、私の目の前で揺れていた。 『1人が、そんなに楽しそうにも見えないけど?』 『………』 年上の男の子だ。 何でそんな、笑ってるの…? 『なまえは?』 『…ひなの』 『ひなの。うん。ひな、か』