「コイツは俺が見てるんで仕事やっててください」


「あらそう?ありがとね♥」


先生は保健室から出て行った


「ふぅ...これでゆっくり話せるな」


ニッと笑う有羽


コイツ...全部がわざとだったのか


泣いたのも、俺に鼻血出させたのも...


「斗真が血見て気絶する体質で良かったー」


「...お前、いつかまじで殴る...」


「へいへい。で?どうだった?」


「なにがだよ」


「姫乃ちゃんのことに決まってんだろ」


「あー。普通に戻ったよ」


「許してもらえたのか?」


「あぁ。ついでに母親にも挨拶済ませた」


「良かったじゃん」


「いてっ」


有羽が嬉しそうに俺の背中を叩く


いつだってそう


コイツは自分のことのように


喜んでくれた、笑ってくれた、怒ってくれた、泣いてくれた...


だから俺はここまでこれた


有羽のせいで苦労もして、離れたいって思ったこともあるけど...


今はコイツが居てくれてよかった


バカやって笑わせてくれて良かった


「ありがとう」


「あ!?」