「貴様みたいな小僧は大嫌いだ。大人相手なのに言葉がなってねえ。」

「小僧??!俺には『たいち』って名前が有んの。『あ・お・か・げ・た・い・ち』っつう立派な名前が。第一、てめぇ等が大人だったら、天地がひっくり返ってるよ。人間の風上にも置けない野郎に敬語を使う必要は無い。」

「何だって?もう一回言ってみな。この薫っちゅう餓鬼の心配する必要ねえだろ貴様も。実の親じゃなさそうだし。」

「さっきの言葉なら百回でも千回でも言ってやるよ。人間の風上…。」

「実の親じゃなくても心配はするんだ。俺は薫とは従兄弟同士だけど、今の薫のコトは心配だ。」

俺は千賀也が加勢してくれて、とても驚いた。普段の千賀也は絶対にこんな事しねぇよ。

「千賀也……、ありがと……。俺にも薫を心配する必要が有る。俺は薫が好きだ。好きな人を心配しない人はいねぇよ。」

薫とヤンキー三人の口がポカンと開いた。

「コイツ……。今サラッと凄い事言ったぜ……。」

「太一…、本当に本当だったんだ。冗談やからかいなんかじゃなくて……。」