「十四でござる。」

「あたしと同じだ…。」

薫、雷青との共通点を見つけたらしい。

「それより、貴殿等は?」

「あ、俺、青影太一。」

「あたしは鬼本薫。」

「青影…。父上の名字と同じだな…。」

太一が少し反応した。本棚から[青影家の歴史]と書かれたノートを取り出した。

「雷青さん、貴方が元々居た所の話をしてくれる?」

「[雷青]で良いでござる。…拙者が五歳の時に、但馬出身の武士の息子、花岡志乃丸殿の所でお仕えする事になって、つい五日前まで仕えていたでござる。四日前に仕事から帰って来たら、志乃兄殿の置き手紙が残っていたでござる。それによると、志乃兄殿は但馬に帰られるとの事でござった。」

太一のノートは24ページが開かれていた。