始発とともに

「忍くん、いつも悪いね。」

家の中から出てきたのは、少し強面の老人だった。

「おはようございます、山中さん。
こっちは北斗と秋です。
今年の夏は二人が手伝ってくれるんです。」

「ほー…
それは偉いなぁ。
暑いから、休み休み頑張って下さい。」

山中さんは強面の顔には似合わない笑顔で笑った。

「はい。」

素直に返事をする北斗とは対照的に、秋は帽子事件から不機嫌そうなまま頭だけ下げて挨拶した。

「秋、機嫌直せよ。」

「別に怒ってないし…」

秋はあからさまに不機嫌な表情で、庭の花に水を撒いている。

忍は電動草刈り機を器用に操って雑草を刈っている。

北斗は草刈り機が通った跡をホウキで掃いている。

太陽が容赦なく照りつけ、北斗の頬を汗が流れた。