バタバタッガチャッ

『愛華ッ!!!』
「ッ、み…なと…」
目の前には、髪がボサボサになって息が荒い湊がいた。
『ッ!愛華、お前、一体―…』
湊の声が、震えている…。
湊があたしに近づいてくる…。
やめて…。
あたしに近づかないで…。
こんな汚いあたしに…
『愛華……』
湊はあたしを抱きしめようとした。
さっきのことが、フラッシュバックして…
「いやぁぁあッ!!」
あたしは湊の体を押した。
『え……』
「ゴメッ……みな…ゴメッ……今は……ッゴメン…」
「湊くん、柊斗くん…今は、2人だけにして?…愛華も不安定だし…。愛華の家にはあたしが電話しとくから…」
『わか…った。愛華…』

――ビクッ

『またな』
あたしは、頷くことしかできなかった。
湊たちは、出て行った…。