次の日、男の子に呼び出された。
腕を引っ張る名前も知らない男の子。
「あのっ、ちょっ、どこまで行くの?」
「いいから、来て」
連れてこられたのは、ひと気のないところ。
「谷本、俺、谷本が好きだよ」
「えっ!ありがとう。でも、ごめんなさい。好きな人がいるの」
「チッ!いいじゃねぇか!付き合ってくれよ」
その男の子はジリっと近づいてきた…。
そして、キスをしようとしている…。
「ゃっ。誰か……湊――――!!」

ドカッ!

目の前から男が消えた。
『ざけんなテメェ!』
そこには、息を荒らした……
『俺の、好きな女に手ぇ出すんじゃねぇよ!!』
湊がいた。
男は去って行った。
その男が、フッと笑っていたことに、あたしたちは、気付かなかった。
『愛華、何もされてないか?』
「ん…。ね、さっきの、なに?」
『―…っ。好きだっ。俺、ずっと愛華のことが好きだった…。ずっと、素直になれなかった。愛華、傷付けて、ごめん。今更遅いかもしれねぇ。けど、俺は、愛華が好きなんだ…』
遅くなんか、ないよ。
「あたしも好きぃ…」
『ホントか?こんな俺で、いいのか?』
「湊がいいっ!…んっ」
湊は、強引にキスをしてきた。
『お前が可愛いこと言うからだからなっ』
「ッ―…バーカ!」
『怖かったよな?愛華、俺がお前を守るから…。絶対、守るから…』
「うん…」

あたしたちは、付き合うことになった。