俺は平然と
『愛華の一口頂戴』
こう言ったけど、心臓はバクバク動いていた。
愛華にも俺のをあげたあと、愛華は顔を赤くした。
もしかして、愛華も同じ?
そう思ったけど、返事は違った。
「暑いから」
それが、答えだった。

分っている。
愛華がもう、俺のことを好きじゃないってことくらい。
あんなことをした時点で、もう、ダメなんだ。
こんな自分が、情けねぇ。

俺たちは頬を赤くしながらクレープを食べた。