湊はあたしにクレープを渡した。
あたしたちは近くのベンチでそれを食べていた。
「なんでカップルって、言ったの…?」
『え、だって……。ほら、安く食べれるっていいじゃん…?』
「そ、だね…」
はぁ、勘違いしちゃったよ。
もしかして、って思ったのに。
―湊も、あたしのこと…。
そう、思ったのにな。
『愛華の一口頂戴』
「はい」
パクッと食べる湊。
『うまっ♪ん。じゃぁ俺のも』
差しだされたクレープ。
間接キス…。
そんなの、気にしたことないのに…。
あたしはパクッと食べた。
「ん。おいしい、ね」
『だろ?つか、顔赤くね?風邪?』
おでこに手をおいた湊。
「へ、平気!暑いの」
『ふ~ん。生クリームついてる』
「え、どこ?」
『違う、ココ』
親指で拭った湊。
「あ、ありがと…」
『お、おう…』
ドキドキが、止まらなかった…。