俺は壁に隠れて身をひそめる。
愛華の言葉を聞くたび、俺は自分のバカさ加減に気付く。
愛華、ゴメン…ゴメン…ゴメン!
俺は愛華に謝ろうと、一歩踏み出した。
その時…
「ッぅあ――――ッッ……」
愛華が大声で泣いた。
そして愛華は…兄貴の胸の中。
ズキンッと心が痛んだ。

ハハ、俺、なに傷ついてんの?
自分が悪いくせに。
自分が愛華を傷付けたくせに…。

俺は、傷付けられて当然だ。

俺は教室に戻り、鞄を持って家へ帰った。


愛華はもう、家に来ないのかな?
朝、俺を起こしに来ないのかな?
ニケツ、できなくなるのかな?
喋れなくなるのかな?

愛華、愛華、愛華。

俺、お前をすっげぇ傷付けたよな。

ホント、ゴメン…。

わがままなのは、分っている。

けど…


俺から…離れないでくれ。