玄関を出た俺は、愛華を探す。
どこ行った?
『…なんだ、あの人だかり』
つーか女子の塊。
なんかいんのか?
『あ…』
愛華が困った顔をしている。
愛華の元へ駆け寄ろうとしたら…
「愛華!」
と、呼ぶ男の声。
…は?
『兄貴…?』
なんで兄貴がいんの?
愛華は兄貴に促され、助手席に乗った。
『マジかよ…』
あいつ、兄貴とどこ行くんだよ…。
『くそっ』
「あ、湊くんだぁ!」
「さっきの人、湊くんのお兄さんなんだね!」
「2人ともイケメン~」
『あっそ!』
俺は女子を振り切り、走った。