試合が始まった。
湊を見ている女子が歓声をあげている。
どこがいいんだか。
「愛華ッ!?」
『愛華前ッ!』
前ぇぇ?
は、え、ちょ、マジ――!?
あたしに向かって飛んでくるボール。
「ッ!」

ガンッ

見事頭に直撃。
「いたた~」
地面に尻もちをついたあたし。
跳ね返ったボールは、味方チームに行きわたったみたい。
立とうとしたら…。

目の前が真っ暗になった。
「ッ……」
『愛華ッ!』
あたしは、意識を失った。